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2009-01-02

ダンス・ダンス・ダンス(上)/村上春樹

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「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」の初期三部作に続く、
完結編、上下巻。


「羊をめぐる冒険」より、
村上春樹の力量が何十倍にも上がっている事がありありとわかる。
所々のユーモアも冴え、
核心をつくメッセージや、
魅力的な登場人物、ストーリー展開など、
どこをとっても素晴らしい。
とにかく、話自体の面白さが全然違う。


主人公の「僕」も、
親友「鼠」の死や、恋人「キキ」を失った事でまた成長した。
しかし、ある部分で彼は失い続けているものを感じ、
それを追い求めて旅に出る。


ダンス・ダンス・ダンス。
ちなみに誰も踊りません。


★★★★★
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2009-01-01

斜陽/太宰治

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何処からともなくやってくる不安。
日常生活にぽつぽつと現れる影。
死への予感。

こういった感情は、
映画やドラマでの映像では表現し辛いものの一つだと思う。
演技ではそんな暗さは体感出来ない。
ただ"悲しく"なるだけ。
自分の中からほじくり返されないと、こういう感情って感じづらい。

ただこの文章は、
そういった感情をあまりにリアルに映し出している。
どことなくユーモラスなのだが、
目を覆いたくなるような場面が多々ある。

どの登場人物も、違う悲しさを持っている。
この表現の仕方がすごい。

★★★★☆
2008-12-19

変身・掟の前で 他2編/カフカ

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「カラマーゾフの兄弟」の大ヒットで、
何かと話題の光文社古典新訳文庫によるカフカの「変身」。
150ページとボリュームも少なく、
スッと読めてしまいます。

特に有名な「変身」は、
朝起きたら虫になってしまう、超非現実的な話かと思いきや、
描かれているのはリアルな家族像。
滑稽ながらも怖いです。

その他短い話が3つ入ってますが、
どれも解釈は読者に委ねられていて、
そこにあるのは簡単なモチーフのみ、といった感じです。

解説にあった、
「文学のロール・シャハテスト」というのはすごくマッチした表現だなぁ、と感動しました。

★★★★☆
2008-12-16

走れメロス/太宰治

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太宰治、中期に書かれた短編9作。

前半はフィクション、後半はノンフィクションで構成。
書きたいものがフィクションに向いているか、
事実を有りのままに述べた方が良いのか、
ただその理由だけで書き分けているような印象を受けた。
だから続けて読んでも何の違和感も無い。

特に素晴らしいのは「女生徒」という作品。
女子の学生になりきって書かれている作品なんだけど、
あまりに共感出来る所が多くてびっくりしてしまった。
太宰のセンシティブな面がとても出ていると思う。

「駆け込み訴え」も、
人間の愛情、また浅はかさを同時に描いていて、
とにかく迫力満点。衝撃的。

「東京八景」の凄まじい人生録も見逃せない。
「人間失格」より衝撃的だった。


読んでいて思ったが、
「走れメロス」って本当に良いタイトルだなぁ。
疾走感に溢れている。


読んだら、彼の文章がすっかり気に入ってしまった。

★★★★☆
2008-12-16

ティファニーで朝食を/カポーティ

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中篇「ティファニーで朝食を」の他に、
短編3編収録。

カポーティの書く文章は、
簡潔でいて綺麗で、
情景描写もとても魅力がある。
キャラクター設定はいかにもアメリカっぽくて
(日本では生まれなさそう)、
若者らしい奔放さ、またそれの対極にある慎重さも、
どちらも素晴らしい力量で書ききっている。

とても良かった。

翻訳である村上春樹との相性も素晴らしい。

★★★★☆
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